変形労働時間制の有効活用で残業削減

仙台の人事労務問題相談所のブログを訪問いただきまして、ありがとうございます! 今回のテーマは、変形労働時間制の有効活用についてです。

「仕事量に比べて、何だか残業時間多い」、「季節によって仕事量の差が激しいので、労働時間の調整が難しい」など、残業時間については、どの会社でも頭の痛い問題です。
1日8時間、週40時間が法定の労働時間ですが、会社の実態に合わせて、もっと柔軟に対応できる仕組みがあれば、いいですよね。

例えば、月の上旬と下旬で仕事量の差がある、とかデパートのように季節によって繁閑時期があるとか、または個人の裁量に任せてある部分が多いのである程度は労働時間もある程度は本人の裁量に任せたいなど、事情はいろいろです。

労働基準法でもその点を考えて、一定の要件の下に1日、1週間あたりの法定労働時間(8時間)を超えて労働させることができる制度を認めています。
これは変形労働時間制や裁量労働制というものですが、次のご紹介しますので、会社の事情に合わせて導入を検討されていはいかがでしょうか?
残業時間の削減だけでなく、社員にとっても働きやすい環境を整えることもできるのではないてしょうか? 
 
●1ヶ月単位の変形労働時間制度
 
1ヶ月以内の一定期間を平均して1週間の労働時間が40時間以下ならば、特定の日や週に1日および1週間の法定労働時間を上回って所定労働時間を設定できる制度です。この制度は労使協定の締結し労働基準監督署長へ届けるか、就業規則で定めることで導入が可能です。
 
●1年単位の変形労働時間制度
 
1年以内の一定期間を平均して1週間の労働時間が40時間以下の範囲内であれば、1日10時間まで、1週52時間まで労働させることができる制度です。季節によって繁閑のる事業場で忙しい時期には労働時間を長く、暇な時期には労働時間を短くして、年間の総労働時間を短縮できます。
この制度は労使協定の締結し労働基準監督署長へ届けること、および就業規則に明記しておくことで導入が可能です。
 
●1週間単位の変形労働時間制度
 
この制度は、日によって業務に著しい繁閑が多く、しかも直前になるまでその状況が分からないために就業規則などに労働時間を決めておくことができない30人未満の小売店、旅館、料理店、飲食店を対象としています。
1週間の労働時間が40時間以下の範囲内であれば、1日10時間まで労働させることができます。
導入するには、労使協定の締結し労働基準監督署長へ届けること、就業規則などに明記しておくこと、前週までに各日の労働時間を書面で従業員に通知しておくことが必要です。
なお、10人未満の小売店、旅館、料理店、飲食店は特例措置対象事業場にあたり1週間の法定労働時間は44時間まで認められていますが、この1週間単位の変形労働時間を導入する場合はこの特例は認められません。週の所定労働時間は40時間以下となります。
 
●フレックスタイム制

始業・終業時刻を例えば朝8:00から夕方5:30までと固定するのではなく、1ヶ月以内の清算期間として定めた期間に働かなければならない総労働時間を決めて、その範囲内で労働者が自ら始業・終業時刻を決めることができる制度です。

1日または1週間の労働時間が法定時間(1日8時間、1週40時間)を超えても時間外労働とはなりません。清算期間(例の場合は1ヶ月)における法定労働時間の総枠を越えた時間が、はじめて時間外労働となるのです。

この制度は、就業規則その他これらに準ずるもので、始業時刻と終業時刻を労働者に決定に委ねることを規定とすること、と次のことについて労使協定を締結することで導入が可能です。

  ・対象となる労働者の範囲
  ・清算期間(1ヶ月以内)
  ・清算期間の総労働時間(法定労働時間を越えない範囲)
  ・標準となる1日の労働時間
  ・コアタイム(就労しなければならない時間帯)を定める場合には、その時間  
   帯の開始および終了の時刻
    ・フレキシブルタイム(終業できる時間帯)に制限を設ける場合は、その時
   間帯について 
 
※フレキシブルタイムとは・・・?
 
  就業できる時間帯。出社時間、退社時間が従業員に委ねられています。
 
※コアタイムとは・・・?
 
  就業しなければならない時間帯。例えば上記の例ではam10:00まで出社
   しないと遅刻、pm2:00以前に退社すると早退になります。
 
※始業時間または終業時間の一方だけ、労働者の決定に委ねることは要件
  を満たしません。また、フレキシブルタイムが極端に短い場合など労働者の
  自主的な決定の余地がほとんどないものはフレックスタイム制度の対象とな
  りません。
 
●裁量労働制
 
裁量労働制とは業務の遂行手段や時間の配分について、会社が細かく指示するのではなく、労働者の裁量に任せて、実際の労働時間とは関係なく労使の合意で定めた労働時間数だけ働いたものとみなす制度です。

裁量労働制には、「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の2タイプがありますが、導入するには対象となる業務、労使協定の締結、労使委員会の設置など一定の法的な要件をクリアーしなければなりません

裁量労働制は、例えば1日の労働時間を労使合意の上、9時間と決めたとするとある日は4時間しか働かなくとも、また、ある日は12時間働いても働いた時間は9時間とみなされます。なお、裁量労働制でも休憩、休日、深夜業についての規制は通常通り適用されます。(休日労働、深夜業には法定の割増賃金の支払が必要)

しかし、この制度は場合によって長時間労働が放置され、労働者の健康を害する危険性もはらんでいますので、社員毎の労働時間管理と長時間残業者の健康チェックの実施など十分に注意が必要です。
 
・変形労働時間制や裁量労働制を導入する手続きがわからない!
・どの制度が会社にあっているのか?
・導入手続きが面倒だ!

などについきましてのご相談は、こちらへどうぞ!

ボタン1



jinji_sr at 09:53│この記事をクリップ!残業対策 

Copyright © 2008 あべ社会保険労務士事務所(仙台市)· All Rights Reserved·