名ばかり管理職対策のポイント
日本マクドナルド事件をはじめ、名ばかり管理職について、最近では、よくマスコミで取り上げられています。
この問題は、急に降って沸いてきたものではなく、以前からあった問題なんです。
労働基準法では、管理職の判断基準をどのように規定しているかというと、監督若しくは管理の地位にあるもの(いわゆる「管理監督者」)」について、労働時間、休憩および休日に関する規定の適用の除外を認めているので、管理監督者に労基法上の時間外割増・休日割増賃金の支払いは不要となるのです。
しかし、課長やマネージャーなどの名称を持っている管理職イコール「管理監督者」といえるかというと、必ずしもそうでないのです!
労基法は、この規定しかないので、行政通達で「役職名にとらわれずに職務と職責、勤務態様、その地位にふさわしい待遇がなされているか否か等、実態に照らして判断すべき」としていますが、これだけでは判断に迷ってしまいます。
このように労基法や通達の管理職の判断基準がイマイチわかりにくい基準なので、企業側は、管理職イコール労基法の管理監督者という認識になってしまっているようです。これが”名ばかり管理職”を生み出した原因の一つでもあるのですね。このようなことを受けて、平成20年4月1日に厚生労働省から管理監督者の判断について、徹底するように次のような通達を出しました。
<通達の概要>
1.原則
法定の割増賃金を支払うべきことは、すべての労働者に共通する基
本原則であり、職制上の役付者であればすべてが管理監督者として
例外的取扱いが認められるものではない。
⇒部長や課長という役職が付いているものについて、すべて一
律に残業代を支払わないのはダメです!
2.適用除外の趣旨
職制上の役付者のうち、労働時間、休憩、休日に関する規制の枠を
超えて労働することが要請されざるを得ない職務と責任を有し、現
実の勤務態様も規制になじまない者に限って、労働時間等に関す
る適用除外(労基法41条)が認められる趣旨であること。
3.実態に基づく判断
管理監督者の範囲を決めるに当たっては、資格及び職位の名称にと
らわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様に着目する必要
がある。
⇒部下なし管理職、人事権など何の権限もない管理職は「名ば
かり管理職」は、管理監督者とは認められません。役職名では
なく実態がどうなっているかです。
また、出退勤については、厳格な規制を受けずに勤務時間につ
いての自由裁量があるかです。遅刻・早退などにその分の賃金
が差し引かれている場合は、勤務時間の自由裁量があるとはい
えません。
4.待遇に対する留意
管理監督者の判定に当たっては、上記のほか賃金等の待遇面につい
ても無視し得ないものであること。
⇒管理監督者として賃金等で十分な待遇を受けていることが必
要です。例えば基本給が一般社員と大差なく、管理職手当も
月2万円程度しか支給していない場合は、十分な待遇を受け
ているとは言えません。
5.スタッフ職の取扱い
スタッフ職の企業内における処遇の程度によっては、管理監督者に
含めて取扱うことが妥当であると考えられること。
⇒スタッフ職とは、例えば本社管理部門において人事労務、役
員秘書、経理など「機密の事務」を取扱う社員です。その職
務が経営者や労基法でいう管理監督者の活動と一体であっ
て、出退勤などについて厳格な制限を受けない者をいいま
す。
このように通達が出ましたので、今後は、管理監督者の取り扱いについての労働基準監督署の指導も一層厳しくなるものと思われます。
一度、自社の管理職の取り扱いについてチェックしてみてはいかがでしょう?
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